なぜいつの時代も上司は「まったく近頃の若者は!」と言いがちなのか?

「まったく近頃の若者は!」
これは管理職世代の人からよく聞くセリフです。

特に今だと、
「Z世代は何考えてるかさっぱり理解できん!」
とか。本当によく聞きますよね。

ある書籍にはこんな一節があります。
「若者は今、高慢ですぐ暴言を吐く。
 彼らは長老を立てることをしない。」

これ何の書籍かご存知ですか?

じつはこれ、
プラトンの著書『国家』の一節なんです。

プラトンって
古代ギリシャ(紀元前4世紀)の
哲学者ですよ?!
約2400年前の話です。

その頃からずっと、人類は
世代間の価値観のギャップに
悩んでいたんですね!

いったいいつまで同じ問題を
人類は引きずってるんだ、と
突っ込みたくなりますが、笑

つまり、これは
いつの時代でも、
管理職世代から見れば、
20代の若者は特異な存在に
見えるということなんです。

そしてその逆もまた然り。
20代からすればオジサン世代は
理解出来ないもの。

永遠のテーマですね。笑

なぜこのようなすれ違いが起きるのか

これは社会の変化、経済状況の変化、
技術革新、など環境の変化
色々原因が言われていますが、

コーチング的には
「ブリーフの違い」に集約されます。

(ブリーフとは簡単に言うと
 自分が強く信じている価値観や信念
 のこと)

人は自分のブリーフに沿って世界を見て
解釈し判断します。
その判断に基づいて様々な反応や
行動をしています。

つまり、
人は自分の色眼鏡で世界を見ている
オジサンはオジサンの色眼鏡で若者を見る。
若者は若者の色眼鏡でオジサンを見る。

当然見えている世界はまったく別物。
その状態で相手を理解できるはずがない

ブリーフは自分が強く信じている価値観。
なので、ブリーフは正しいと思っている。
つまり、
「自分は正しい」というスタンスで
相手を見てしまうんですね。

なので、自分と違う
価値観の人たちに対しては、基本的に
相手側が間違っていて、そっちが態度を
改めるべき、変わるべきだと思っている

このような態度、姿勢は
コミュニケーションの障害となるだけでなく、
関係の悪化を招くことにもなりかねません。

自分のブリーフを更新する
解決の鍵は「自分が変わる」ことです。
これは上司側が悪い、間違っているという
ことではなくて、
自分のこれまでの信念や価値観に固執せず、
柔軟にアップデートすることを意味します。

相手のブリーフを理解し、尊重することで、
新しい視点や考え方を取り入れることができます。

このアプローチを取ることで、
異なる世代間でもスムーズな
コミュニケーションが取れるように
なります。

そうした方がいい理由

上司側からすると
「なんでこっちが変えなきゃいけないんだ」
という声もあるかと思います。

部下の側が変わるべきという立場ですね。

しかし
「まず部下が態度を改めるべきだ」と
いくら言ったとしても、本当に
そうするかどうかは部下次第で、
上司にはコントロールできない領域。

なので、そこに対して
ムダに時間とエネルギーを使うよりも、
自分のコントロールできること
(自分の考え方、価値観、態度、
 行動などをアップデートすること)
に集中する。

これが、余計なストレスを避け、
生産性を向上させることにもつながります。

異なる世代間のコミュニケーションは
永遠のテーマと言えるくらい
一見すると難しいものに見えますが

それを乗り越えることで得られる
新しい発見や学びは計り知れません。

得てしてイノベーションや
ブレイクスルーは若手や新人の意見を
取り入れたことがきっかけで
起きるものなのです。

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